夏バテと鍼灸・夏バテにならないための注意点

夏バテと鍼灸・夏バテにならないための注意点
暑い日が続きますが、夏バテは大丈夫ですか?今回は、夏バテについて取り上げてみます。

はじめに

夏バテ対策として土用の丑の日に鰻を食べるのが有名ですが、他の夏バテ対策として土用の丑の日に頭にお灸(ほうろく灸というお灸)をするというものがあります。これは余りマスコミ等に取り上げられることがないため、知らない方が多いでしょうが、昔から続いている行事です。現在でも一部のお寺等で続けられています。いつ頃から続いているのかは、武田信玄が始めた説や弘法大師が始めたという説などがあり正確には定かではありません。しかしながら、ルーツはさておき、昔から夏バテ対策として鍼灸治療が重視されていたことを示すものだといってよいでしょう。

夏バテ対策としての鍼灸治療

夏バテは基本的に「暑さ」と日本特有の「多湿」で疲れてしまった状態です。暑さは、東洋医学では「暑邪」といい、多湿は「湿邪」といいます。それぞれ外から身体の具合をわるくする邪気(六淫の邪)の一種です。夏バテはこの暑邪と湿邪が結びついて身体に入り込んでしまった状態です。これらが脾胃(東洋医学の脾と胃)といった消化器系にとりついて消化の働きを悪くして、食欲をなくしたり、全身症状として身体が重だるい等の症状を引き起こしたりします。
したがって、この暑邪と湿邪を身体から追い出せば夏バテを解消できることになります。
鍼灸治療では、弱った脾胃を元気にして、身体に入ってしまった暑邪と湿邪を追い出すように治療を行うことができます。色々な方法があるでしょうが、前出の「ほうろく灸」は頭にお灸をすえることで、この暑邪と湿邪を追い出すことを目的としていると考えられます。
昔ならば、ここまでで良かったのですが、最近は技術の発達により、夏でも冷たい食べ物を食べることができ、冷房で室内を冷やすことが出来るようになりました。程よい範囲で使えば問題ないのですが、どうしても過剰になりやすく、冷えて弱っているところに暑邪と湿邪が入ってしまったり、逆に夏バテで弱っている状態で身体を冷やしすぎてしまい、さらに具合が悪くなるといったことがおきてしまっています。また、冷たい飲み物などはお腹を冷やしてしまうために、余計に脾胃を弱めてしまうといったことにつながります。
鍼灸治療でこれ等の冷えへの対策もある程度可能ですが、なんといっても生活を気をつけるのが一番大切になります。

自分で出来る夏バテ予防

基本的に「暑さ」と「多湿」が原因ですので、暑すぎるときに無理な外出などは控え、涼しい場所で過ごしましょう。夏に無理をしないことが大切です。
冷たい飲食物は脾胃の働きを悪くしてしまい、湿邪などに付け入られる原因になります。冷たい飲食物の取りすぎに注意しましょう。
水分補給は重用ですので、しっかり行いましょう。
冷房の冷やしすぎは余計に具合が悪くなります。温度を上手く調節し、快適な温度ですごすようにしましょう。

・水分補給はしっかりと。
・暑すぎるときに無理な外出などは控え、涼しい場所で過ごしましょう
・冷たい飲食物の取りすぎに注意しましょう。
・冷房の冷やしすぎに注意。

まとめ

夏バテにならないように日ごろの日常生活を十分に注意し、どうしてもなってしまった時には鍼灸治療を利用してみてはいかがでしょうか?
十分に気をつけて、暑い夏を健康に楽しく過ごすようにしてくださいね。